看護助手の科ごとの仕事内容 ~透析室編~

透析ってどんなことをするのか、実際に見たことがない人が多いと思います。看護師でも、透析室の業務について知らないことも多い、ある意味特殊な勤務場所です。

ですが、透析室は覚えてしまえば、毎日が同じことの繰り返しの業務であり、スタッフも変動が少ないため安定している職場ともいえます。

透析室での看護助手の業務について、ご説明します。

をご覧ください。

看護助手の仕事 ベッドの整理整頓

多くの透析室は、一つのベッドを一日2回使用することが多いです。

そのため、午前中の患者さんと午後の患者さん用が使用する際に、ベッドを整理整頓する仕事も、看護助手の仕事です。

この午前患者さんと午後患者さんの入れ替えの時間が、透析室の業務の中で一番忙しい時間です。

午前中の患者さんの止血に使用した物品を片付け、ベッドを整理整頓したうえで、次の患者さんに使用する穿刺用グッズも用意していく。

この時間は、臨床工学士や看護師は、血液の回収と止血、バイタルサインの測定に入っているため、患者さんの入れ替えのための環境を作る主な担当者は、看護助手になります。

患者さんの誘導を担当

朝の透析室は、看護師や臨床工学士はプライミングを行っています。

そのため、患者さんが訪室されたときの体重測定と患者誘導の担当も、看護助手が行います。

もちろん、看護師も余裕がある場合には、一緒に行います。

ですが、患者さんがベッドに横になり始めたたら、穿刺作業に入ってしまいます。

患者さんの体重を確認し、使用するベッドに誘導することも、看護助手の大切な役割です。

穿刺用グッズの洗浄とセット

透析とは、簡単に説明すると、患者さんの動脈化した静脈に針を刺して機械を回して血液を回収し、人工腎臓を通過させ、再度患者さんの別の静脈血管に戻すという作業です。

そのため、安全を確認しながら透析を開始するために、患者さんの血液が通る管を止める鉗子がいくつか必要になります。

その鉗子を含めた穿刺用グッズをセットし、使用した鉗子を洗浄する作業を担当するのも、看護助手の業務になります。

仕事内容は大変ではありませんが、毎日、午前と午後、患者さんの人数分の鉗子を洗浄し、セットを組む必要があります。

黙々とできる作業ともいえますが、同じ仕事の繰り返しでもありますので、単純作業が苦手な場合には、少し苦痛な仕事かもしれません。

受付、電話対応

透析室は、お昼の時間が手薄になりがちです。

それは、午前と午後の患者さんの入れ替え時間だからです。

臨床工学士や看護師は回収・穿刺作業に入るため、手が離せません。そのため、この時間の受付や電話対応は看護助手も対応します。

看護助手の仕事は、あまり電話対応という業務が少ないですが、透析室では手が空いている人が電話に出ざるを得ない時間帯が入れ替え時期です。

電話は色々な人からかかってきます。

患者さんの場合もあれば、医師や看護師、業者さんからの場合もあります。

そのため、きちんと内容を確認したうえで、医師や看護師・につなぐことが、相手の業務負担の軽減につながります。

透析中は穏やかに作業ができる

透析室の業務は、穿刺と回収・止血時間が忙しいですが、透析が始まってしまえば、落ち着いた穏やかな時間が流れ始めます。

患者さんも備え付けられたテレビを見ており、看護助手も落ち着いて、自分の業務を行うことができます。

この時間を利用して、いろいろな物品の整理・補充を行うことや、患者さんのロッカールームの整理整頓をすることができます。

実は、この落ち着いた数時間があるから、透析室の看護師さんはあまり異動希望をしない理由の一つです。

同じ顔触れの患者さん、毎日繰り返される業務、忙しさと穏やかな時間の過ごし方は、病棟や外来業務とは違う感覚です。

まとめ

いかがでしたか?透析室は、多くの看護師にとっても、知られざる業務ですし、他の部署の時間の流れとは少し違うかもしれません。

ですが、忙しい時間と穏やかな時間が決まっており、毎日同じ内容の繰り返しでもあります。

血液が機械の中を流れている光景になれることができれば、業務としては単純作業に近いとも言えます。

患者さんも長期にわたり、継続して通い続けるため、気心が知れてきますし、透析患者さんの日常生活を理解できる絶好の機会です。

透析患者さんは、どの診療科にもかかりますし、入院もします。看護助手として、知って損はない仕事の一つだと思います。