看護助手の科ごとの仕事内容 ~内科編~
内科での看護助手の仕事はどんなものがあるのか、イメージが付きにくいと思います。
内科は、外科のようなバタバタ感は少ないですが、生活援助に介入する比率が高いことが特徴です。
内科で働く看護助手の仕事内容について、詳しくご説明します。
看護助手の内科の仕事 ベッド周囲の環境整備
内科病棟の患者さんは、あまり元気な状態で入院することは少なく、多くは体調を崩したための安静・加療目的での入院になります。
そのため、入院中もベッドで臥床していることが多く、ベッド周囲に物が積み上げられていくこともしばしばです。
看護助手は、患者さんのベッド周囲の環境を整えながら、食べ物が置きっぱなしになっていないか、寝具が汚れていないかをチェックし、必要に応じて整理整頓を行います。
食事介助、歯磨き介助
内科の患者さんは高齢者の方も多く、食事介助が必要になる場合もあります。
食事もベッドで食べる方も多く、自分で配膳車まで取りに来る人も少なめです。
そのため、患者さんの状態に応じて、食事を食べる準備から行う必要も出てきます。
食事介助は、安定している患者さんであれば、看護助手が担当します。
誤嚥させないように食事を食べさせ、食後の口腔ケアも実施します。
また、動けない方に関しては、使用した食器を洗ったり、汚れたエプロンを洗って片づけたりするなどの業務もおこないます。
内科で働く看護助手の業務の中で、食事・歯磨き介助は業務比率の高い重要な援助になります。
排泄介助
内科で入院している患者さんは、昼間は歩いてトイレに行ける方でも、夜間はポータブルトイレを使用する人や、おむつを使用している方も多くいます。
そのため、排泄援助も看護助手の大切な仕事になります。
時間でおむつをチェックするだけでなく、排泄した後はできるだけ素早く片付けるとともに、おむつをしている患者であれば陰部の状態も観察し、場合によっては清拭も行います。
また、排泄物の量や回数をチェックすることも、看護助手の業務になります。
排泄物に異常がある場合には、該当する患者さんを担当している看護師に報告することも業務に含まれます。
入浴介助
内科で入院している患者さんの中には、一人では入浴ができない方もいます。
そのため、シャワー浴などの介助や、寝たままで入ることができる機械浴の介助も、看護助手として対応します。
状態が悪い患者さんの入浴介助は、看護師と一緒に行いますが、機械浴の準備やタオルの用意など、細かなセッティングは看護師よりも毎日患者さんの環境整備をしている看護助手の方が詳しく、手際も良いものです。
私も、機械浴の介助では、看護助手さんの手際が良い準備や介助に、本当に助けられました。
内科病棟だからこそ、生活を毎日支えてくれている看護助手のほうが、看護師よりも患者さんの助けになる場合が多いと思います。
検査への移送
自分で検査室まで歩く体力のない患者さんは、車椅子で検査室まで移動することになります。
その移送を担当するのも、看護助手の仕事の一つになります。
状態が不安定な場合や、申し送りが必要な患者に関しては、看護師が移送を担当します。
ですが、内科に入院している患者さんの場合には、検査室まで歩く体力がないだけの場合もあります。
また、外科病棟と違い、歩くことが回復つながるわけでもないので、車いすで移送する患者さんの割合がどうしても多くなりがちです。
そのため、特に週初めの午前中に、胸部レントゲン撮影などの検査に患者さんを移送する回数が多くなるのも、内科病棟の特徴の一つともいえます。
認知症の患者さんや徘徊する患者さんへの対応
内科は高齢者の方が多いため、入院したストレスで夜間に大声を出したり徘徊したりする患者さんがいます。
そのため、看護助手は、急にベッドから起き上がったり、徘徊する可能性が高い患者さんの見守りも行います。
特に、夜間は、周囲の患者さんの迷惑をかけてしまう患者さんを、ナースステーションの近くに連れてきたりしています。
看護師と一緒に、その患者さんの見守りを行うことも、看護助手の仕事の一つです。
高齢の方は入院すると、環境の変化についていけずに、入院した夜から行動や表情・言動が変化することが当たり前のように起こります。
看護助手として初めて働く時は、その変わりようにびっくりしてしまうかもしれません。
ですが、病状が安定するとともに、スタッフ全員がしっかりとその方に対応することで、精神症状は落ち着いていきます。
その変化に付き合うことができるのは、内科病棟だからできるケアです。驚きがやりがいに変わるケアでもあります。
物品の管理・補充
タオルやリネン類などの整理や保管、病棟保管のガーグルベースンなどの管理、そのほか中央材料室から払い出された物品の管理も、看護助手の仕事です。
この仕事は、看護師はノータッチともいえます。
時間を決めて、片付けや払い出しを行い、担当したらサインをするという仕事になります。
まとめ
内科と外科の看護師が、雰囲気で違うように、看護助手も雰囲気で違いが判ります。
内科の看護助手は、患者さんのケアに関わる時間が多いため、介護者のスキルはアップしますし、コミュニケーション能力も高くなります。
外科の患者さんのように活気は少ないかもしれません。
ですが、高齢になればなる程、お世話になるのは、内科病棟です。家族の介護にいつか役立てたいとお考えの方は、内科の看護助手として仕事をしてみることをおススメします。