高卒認定(旧大検)数学 第10回「符号の意味」
また、見た目は計算の+(足す)・-(引く)と同じですが、違いはありますか?
0を直線の端ではなく途中に決めたとすると、数は[math]0,1,2,3,4[/math]…と並ぶのが自然ですから、[math]0[/math]の左右に対称の形で[math]1,2,3[/math]…と同じ数が並ぶことになります。(図の上)
これでは数だけを数直線なしで記述していることになり、[math]0[/math]のどちら側の数であるかわかりません。
そこで従来の[math]0[/math]より右の数の前には符号+を、左の数には符号-を付けて区別することにしたのが符号の第一義的な意味・役割です。
ここで数の構成について説明しておきます。
一般に、
「数は符号(+、-)と数(絶対値)でできている。」
というのが原則です。ところが正の数([math]0[/math]より大きい数)については+の符号を取っても意味を間違えることはないとして、符号の省略が可能で、普通省略されていることも多いです。
例えば、[math]+4=4[/math]といった具合です。ここで符号は数直線で[math]0[/math]より右の数か左の数か([math]0[/math]より大きいか、小さいか)の区別、絶対値は[math]0[/math]からの距離を表します。
今、上の説明では符号の意味を0の左・右と述べましたが、これを少し意味を拡大して「左・右へ行く」と考えるとどうなるでしょう。
[math]+4[/math]は「右へ[math]4[/math]行く」という意味だとすると、前に数はありませんが、ないを表す数[math]0[/math]を付加して「[math]0+4[/math]」のたし算と考えることができます。
すると「[math]0[/math]の点から右へ[math]4[/math]目盛り行く。」となって「[math]0+4[/math]」の答えである[math]+4[/math]にたどり着きます。このように+の「プラス(符号)」と「足す(たし算記号)」は区別はできますがあまり厳密にする必要はないと考えられます。
この他にも符号の意味は数多く考えられますが、常識の範囲でもあり、必要があれば場合に応じて説明することとします。
【今回のクイズ】
「私はパチンコで-1万円勝ったぞ。」という表現を-の符号を使わずに言い換えよ。
【前回のクイズの答え】
一例として「会計の記述で赤字を負の数で表す。」を挙げておきますが、その他にいくらでもあるので自分で判断してください。