高卒認定(旧大検)数学 第1回「分数の意味」

これは何かの問題で解答の途中で[math]1+\frac{ 2 }{ 5 }[/math]とかの計算がでてきたときの質問だったと思います。この質問をした人は、平方根の計算もある程度できるし、二次方程式の解の公式も正確に知っていました。
このように問題を解く方法を知っており、知識もあるのに、計算でつまづく人が何と多いことか。
そこでこれから質問に答える形で、計算の基礎を説明していきたいと思います。

まず、この質問に答えるために、分数の意味を考えます。普通「1つのものを分母の数に分割した中の分子の個数分」と考えます。
例えば[math]\frac{ 3 }{ 5 }[/math]は「1つのものを5分割した3個分」ということです。(図1参照)
これを「3つのものを5等分した中の1つ」と考えても同じです。(図2参照)

分数の意味を理解すれば質問の答えはすぐにわかるはずです。
[math]1=\frac{ 1 }{ 1 }=\frac{ 2 }{ 2 }=\frac{ 3 }{ 3 }=\frac{ 4 }{ 4 }=\frac{ 5 }{ 5 }[/math]…です。

ここでもう1つ大切なことが分かります。
それは[math]\frac{ 1 }{ 1 }=\frac{ 2 }{ 2 }=\frac{ 3 }{ 3 }=\frac{ 4 }{ 4 }=\frac{ 5 }{ 5 }＝[/math]…であるから
[math]\frac{ 2 }{ 2 }=\frac{ 1 \times 2 }{ 1 \times 2 }[/math]、[math]\frac{ 3 }{ 3 }=\frac{ 1 \times 3 }{ 1 \times 3 }[/math]、[math]\frac{ 4 }{ 4 }=\frac{ 1 \times 4 }{ 1 \times 4 }[/math]、[math]\frac{ 5 }{ 5 }=\frac{ 1 \times 5 }{ 1 \times 5 }[/math]、…
だということで、「分数の分母と分子に同じ数をかけても元の数と同じである。」ということです。