カウンセリング技法 傾聴、質問、反射など種類のポイント

心理カウンセラーになるには

カウンセリングを行うにはカウンセリング技法は欠かせません。

どの心理カウンセラーの資格を学習したとしても必ずカウンセリング技法は学習します。

資格は違ってもこれは必ず、です。下記にも解説しますが特に傾聴は学ぶ必要性が高いカウンセリング技法です。

カウンセリング資格の詳細はカウンセリング資格と心理療法、種類の一覧と難易度をご覧ください。

ここではカウンセリング技法の種類の内

これらを解説します。

カウンセリング技法における傾聴のポイント

カウンセリングは、言語的及び非言語的コミュニケーションを通して行われるものですが、コミュニケーションの良し悪しによって、効果が出たり出なかったりします。

人には自尊心があり、羞恥心がありますので、なかなか本心を明かさないものです。

悩みがあって相談に来るような場合、話はしていても、本当に話したい、聴いて貰いたいと思っていることの周辺の話はできても、こんなことを言ってはバカにされないだろうか、こんな話をしては笑われたりしないだろうかと考えてしまい、核心の話になかなか入れないものです。 

そのような人も、この相手ならば信頼できると感じ、何を話してもバカにされたり、笑われることがないという安心感を覚えると、初めて胸の内を話し出します。

本心を話して初めて、よいコミュニケーションと言うことができ、カウンセリングが成立するわけです。

このように、相手が安心感を覚え、胸の内をさらけ出して話せるように話を聴くことを傾聴(アクティブ・リスニング)と言います。

カウンセリングの基本技法です。

本心を話し始めても、場合によっては、複雑な心の綾をズバリ表現できる適切な言葉が見つからなくて、本当に言いたいことをうまく話せないことも出てきます。

単に音声として聞こえてくる話だけを聞くのではなく、言語化できていない心の襞(ひだ)まで覗いて話を聴くことが必要で、それを含めて、カウンセリングにおいて傾聴といっています。単に聞くのではなく、聴くのです。

counselor_img_0067

カウンセリングの基本 クライエントを安心させる「うなずき」のやり方

カウンセリングにおける傾聴の基本はクライエントをわかろうとすることです。

クライエントの話をじゃませずに聴くことから始まります。じゃましないためと言っても、何の反応も示さなければ、クライエントには聴いてもらっているという実感がわきません。

そこで、手法の1つとして話の節々でうなずくことをします。

カウンセラーにうなずいてもらうと、クライエントは、

  • 「あー、聴いてもらっているな」
  • 「ここまでわかってもらえたな」

という安心感を覚えて、話が次々に展開していきます。

心にしまっておこうと思っていたことも話すことができるようになって、カウンセリングの効果が出てきます。

うなずきは簡単なことではありますが、話を集中して聴いていることをクライエントに伝え、クライエントを安心させる有効なやり方の手法なのです。

ただし、カウンセラーがうなずいていることは、クライエントは目で確かめるしかありません。

下ばかり見ているクライエントにうなずいても効果はありません。

その意味でもクライエントを観察することが大切となります。

counselor_img_0068

カウンセリングの基本 クライエントの心を開かせる「あいづち」のやり方

うなずきに加えて、「はい」、「えぇ」、「それで」等の短いあいづちをうつと、さらに大きな効果をあらわします。

これは「聴いているよ」「わかったよ」というサインを声に出して伝えるうえに、非難めいた言葉は入りませんから、クライエントの心を開かせる効果を生み出すのです。

あいづちは短い言葉ですから、同じ言葉でも声の長短、抑揚などによって意味が変わったりします。

カウンセリングの方法としての基本的な姿勢、視線や態度

あまり口にしたくない自分の弱みを話してもらうわけですから、クライエントが無用な緊張感を持つことがないように、包容力のある、誠実な態度で接し、不安感がなくなるようにやさしく向かい合います。

カウンセリングを行う上で椅子への座り方も、上体を背もたれに持たせてふんぞり返って座ったり、足を組んだりしては聴く態度になりません。

浅く腰掛け、上体はやや前屈みにした姿勢にすると、クライエントは話を聴いてもらえると感じることができます。

腕組みは拒否の姿勢を示しますから、手はテーブルか膝の上に自然におきます。

からだ全体をリラックスさせ、当然表情もおだやかにして、クライエントの話しに耳を傾ける姿勢を示しましょう。

「目は口ほどにものを言い」といいますから、目も重要な役割を果たしますが、中でもアイコンタクトといわれる視線が大事です。

横や下を向いていては、クライエントは聴いて貰っていないと感じます。

しかし、いつも目を見つめていると、きつい感じを与えてしまいますから、口か喉あたりに視線を少し下げておき、キーワードが出たようなときに視線を交えるようにすると、「わかりましたよ」というサインを送ることにもなり効果的です。

counselor_img_0069

カウンセリングをスムーズに進めるための導入の方法

プロのカウンセラーが初めてのクライエントとどのように話し始めるかを参考のために述べてみます。

不安感を抱えている初対面のクライエントに対しいきなり本題に入ることは避けなければいけません。

クライエントの状況を見ながら、天気など、当たり障りのない日常的な会話で緊張を解きほぐしてから本題に入ります。

例)C l:クライエント/Co:カウンセラー

  • Co:今日はさわやかな風が吹いて気持ちがいいですね。どうぞこちらへおかけ下さい。
  • C l:はぁ。 
  • Co:この場所すぐわかりましたか。
  • C l:えぇ、まぁ。(まだ、下を向いたまま)
  • Co:今日はよく来てくれました。私はカウンセラーの〇〇と言います。カウンセリンは初めてですか。
  • C l:初めてです。だから、ちょっと心配で…(と言って、訴えるように初めて視線を合わせる)
  • Co:それでは、初めてということですからカウンセリングについて少し説明するところから始めましょうか。・・・と言って、「何でも話してよいこと。ただし、話したくないことは無理して話さなくてよいこと」、「秘密は守られること」、「気に障るからといって、暴力に訴えないこと」などを説明します。
  • C l:わかりました。少し安心しました。それに、暴力に訴えるなんてことしませんよ。(少し笑顔になる)
  • Co:で、今日はどのようなご相談でしょうか。どのようなことでも結構ですから。どうぞ気楽にお話し下さい。
  • C l:はい。実は…
  • (後略)

カウンセリングについて説明する中で、秘密の厳守、非暴力について触れていますが、これらは必ず最初に説明しておく大事なことです。

counselor_img_0070

クライエントの話を深める「質問」

カウンセリングにおける話が具体化する質問の効果

人は話を聞くとき、時の流れに沿って順々に話をしてもらうと分かりやすいものです。

カウンセリングを受けたいと思う人の話は、時と場所があちこちに飛んでしまいがちです。

質問技法を上手に使うことでも話がわかりやすくなります。

また、人は自分自身の問題であっても、それが重大であればあるほど、他人事のように一般論から話し始めるものです。

例えば、

「男の人は信用できない」という一般論を述べる女性に、「あー、何かあったのですね。どういうことがあったのですか。少し詳しくお話願えますか」

と話を具体化するように聴いていくと、

「実は…」と言って、身近な男性に裏切られた悲しい話を告白することがあります。

質問は、一般的な話を具体化させていく作業である」と言うこともできます。

カウンセラーが質問することによって、カウンセラーがクライエントの話を理解しやすくなると同時に、カウンセラーが関心を示すところにクライエントが話を進めることになりますから、カウンセリング自体を方向づけることに役立ちます。

クライエントにとっても、問題を具体化でき、深く掘り下げることによって感情が明確となり、気づきにつながりやすくなります。

ただし、質問は、クライエントがしまい込もうとしていることのベールを一枚一枚剥いでいくように進めていきます。

おいしい刺身にするには冷凍マグロをゆっくりゆっくり解凍していくように、クライエントが口を固く閉ざしている場合は、ゆっくりゆっくり口が緩むのを待つ気配りが必要です。

性急な質問はクライエントを傷つけ、カウンセリングを失敗に導きますので、気をつけなければなりません。

一般に質問には確認または情報収集のための質問と、説明を求める質問とがあり、それぞれ閉ざされた質問、開かれた質問と呼ばれています。

閉ざされた質問

この質問は、カウンセラーが感じたり理解したことの正否を、YesかNoかで確認したり、時、場所、人物など特定の事柄についての情報を得るために使われ、事実を知るのに適しています。

ただし、答えはほとんど単語で済むことになりますので、微妙なニュアンスを伝えにくく、話は途切れがちになります。閉ざされた質問を続けると、クライエントは自ら考えることをやめ、質問されるのを待つだけとなります。

「開かれた質問」(Open Question)

How…?
What…?
Why…?
で始まり、文章で答えなければよく説明できない質問を開かれた質問と言います。

開かれた質問は「どのような人間関係にお悩みですか?」
「えー、実は高校時代からの友達なんですが、最近何かというと私を避けるようになって…」
このように、HowとWhatの質問である
「どのように」
とか
「なに、どんなこと」

という質問をすると、クライエントは自分の話せる範囲で自由に話していくことができます。Whatの場合は、
「~について、もう少し詳しく話してくれませんか?」
というように質問をすることもよいでしょう。

counselor_img_0071

クライエントが自己を見つめるのを待つ沈黙対処法

カウンセリングの途中で、クライエントが沈黙してしまうことがあります。

長く黙られますと、その沈黙に耐えられず、どうしよう、何とかしなければと、気持ちがあせって来たりします。

日頃、雄弁な人ほどそうなりがちです。

沈黙は、別の意味での意志表示ですから、沈黙の意味するところを推し測り、正しい対応を心がけたいものです。

沈黙の意味は、次のように考えられます。

  • カウンセラーの言葉を聞いて、クライエントが自分の考えをまとめたり、話をする言葉を選んだりしているときに沈黙することがあります。考え事をしているときの表情は、目がキョロキョロすることもなく、ある程度わかりやすいものです。クライエントに自己を見つめてもらう良い機会ですから、クライエントが話し出すのを待つべきです。
  • 何を訊かれているか分からなくなり、カウンセラーが次の質問をしてくれるのを待っている沈黙もあります。
  • クライエントの話が一段落し、カウンセラーの応答を待つときにも沈黙します。この場合は、クライエントの顔が満足した表情をすることが多いのでわかりやすいものです。②、③の沈黙には、カウンセラーから話しかける必要があります。
  • 面接の初期に、クライエントとカウンセラーとの人間関係がまだできていないときも、沈黙が起こりがちです。心の内を話せるかどうかカウンセラーを値踏みしていたり、恥ずかしさや困惑を表現していると考えられます。こうした場合は、クライエントが安心して話せるような雰囲気作りに集中することが必要です。
  • カウンセリングの経過次第では、カウンセラーに反感を抱いたり、失望したとき、その不満感を言葉で表現せず、沈黙してしまうことがあります。こういう沈黙の意味は、クライエントの表情や態度によって判断できます。この場合は、問題の詳細や沈黙の意味について尋ねることは避け、クライエントの抱いている失望感や反感の気持ちを受け入れることが第一です。そして、カウンセラーから働きかけることが必要で待つことは無駄になります。

沈黙が重要なことを表現しているからといっても、常に正しくとらえなければならない、と焦る必要はありません。

沈黙の意味がわからなくても、あわてることなく、原則として2分間ぐらいは待ってから、自分が理解している範囲のことを率直に伝えればよい結果をもたらします。

counselor_img_0072

看護師にとってのカウンセリング傾聴(聴くこと)とは

毎朝、検温に行く時間帯に、患者さんが『私の病気はもう治らないんでしょうか?』と尋ねられた時に、あなたらなどのように答えますか?

『大丈夫、心配しなくてもいいですよ』:こういった言葉は普段何気に答えているものではないでしょうか。もちろん、大丈夫と言って安心感を得たいと感じている場合もあるかと思いますが、多くの場合、そのように返されて安心し納得していることは少ないように感じます。

では、どういった言葉を返すと患者さんは安心するのでしょう?

『今、どんな気持ちがしているんですか?』

このように問い返すことでその人の言葉の背後にある気持ちを知ろうと努めている言葉だと思います。

これは基本的なカウンセリング技法としての『共感』を学んできた看護師の言葉としてよく聞かれるものではないでしょうか。

その時の気持ちを受け止め、共感することが大切だと教科書にも書かれていると思います。

それゆえ、相手の気持ちを理解しようとして発する言葉であると思われます。

しかし、私はそこで発した言葉を受け止めてもらったという営みが大切なのではないかと思われるのです。

『病気が治らない…そんなふうに思うんですね。』

一見反復のように見える言葉ですね。

しかし、患者さんから発せられた言葉を「確かに受け止めました」という言葉なのではないかと思います。

そして、いったん受け止められる、さらにそのことによってさらなる言葉が語られていく、そのことにより自己理解が深められたり、不安が解消されたりしていくのではないでしょうか。

また、『不安そうですね』と患者の表情からそのような気持ちが読み取れる時にはその気持ちを返してあげると、『う~ん、何か退院の話も出ているけれど、不安で。元の生活に戻っても、ちゃんと働けるのかなって思って。』と、病気が治るか治らないかというより、この人の場合には、退院を控えて元の生活に戻ることの不安を訴えたかったのがわかります。

一見、患者さんの言葉は飛躍しているかのように感じます。

でも、人は弱っているとき、不安が強くなっているときには、このように飛躍して考えることは意外と多いものだと感じます。

『退院でちゃんと働けるのかな。まだ体がだるい感じがしている』→『まだだるさが残っているに退院だなんて、実は自分にだけ告知されていないだけで、もう治らない病気なんじゃないかな~』

こういった、ちょっとした兆候からどんどんネガティブに考えて不安になっていくことが多いようです。

不安に思っていることや、気にかかっていることは聴いてもらうだけで、少し安心することが多いように思います。

『傾聴』、このカウンセリング技法の中核になる言葉は、あらゆる領域で聞かれるようになり、カウンセラー以外看護師の専門職の中でも学ばれるようになりました。

この聴くこと、まずは語られるそのままの言葉を受け止めること、これが大切ではないかと書きました。このそのままの言葉を受け止めること=言葉の上辺だけを捉えて会話をしていくこととは違います。

メンタル心理士より抜粋

心理カウンセラーになるには