看護師の患者とのコミュニケーションの取り方4つポイント

心理カウンセラーになるには

看護師や看護学生にとって患者さんとのコミュニケーションは看護を行っていくうえで非常に重要ですね。しかし新人看護師や看護学生、数年ぶりに復帰した看護師の人などは

「どうしたら会話を続かせられるか、どういうふうに話を広げたらいいのか」

こんな事感じた事ないですか?ここでは心理カウンセラーがカウンセリングでよく使う

これらを解説します。

心理学からみた患者とのコミュニケーション方法 取り方広げ方

看護師にとっての傾聴(聴くこと)とは
毎朝、検温に行く時間帯に、患者さんが『私の病気はもう治らないんでしょうか?』と尋ねられた時に、あなたらなどのように答えますか?
大丈夫、心配しなくてもいいですよ

こういった言葉は普段何気に答えているものではないでしょうか。もちろん、大丈夫と言って安心感を得たいと感じている場合もあるかと思いますが、多くの場合、そのように返されて安心し納得していることは少ないように感じます。

では、どういった言葉を返すと患者さんは安心するのでしょう?

今、どんな気持ちがしているんですか?

このように問い返すことでその人の言葉の背後にある気持ちを知ろうと努めている言葉だと思います。

これは基本的なカウンセリング技法としての『共感』を学んできた看護師の言葉としてよく聞かれるものでしょう。

その時の気持ちを受け止め、共感することが大切だと教科書にも書かれていると思います。

それゆえ、相手の気持ちを理解しようとして発する言葉であると思われます。
しかし、大事な事はそこで発した言葉を受け止めてもらったという営みが大切なのではないかと思われるのです。

病気が治らない…そんなふうに思うんですね。

一見反復のように見える言葉ですね。しかし、患者さんから発せられた言葉を「確かに受け止めました」という言葉なのではないかと思います。

そして、いったん受け止められる、さらにそのことによってさらなる言葉が語られていく、そのことにより自己理解が深められたり、不安が解消されたりしていくのではないでしょうか。(気持ちへのオウム返し)

また、『不安そうですね』と患者の表情からそのような気持ちが読み取れる時にはその気持ちを返してあげると、『う~ん、何か退院の話も出ているけれど、不安で。元の生活に戻っても、ちゃんと働けるのかなって思って。』と、病気が治るか治らないかというより、この人の場合には、退院を控えて元の生活に戻ることの不安を訴えたかったのがわかります。

一見、患者さんの言葉は飛躍しているかのように感じます。

でも、人は弱っているとき、不安が強くなっているときには、このように飛躍して考えることは意外と多いものだと感じます。

『退院でちゃんと働けるのかな。まだ体がだるい感じがしている』→『まだだるさが残っているに退院だなんて、実は自分にだけ告知されていないだけで、もう治らない病気なんじゃないかな~』

こういった、ちょっとした兆候からどんどんネガティブに考えて不安になっていくことが多いようです。

不安に思っていることや、気にかかっていることは聴いてもらう(傾聴)だけで、少し安心することが多いように思います。

『傾聴』、このカウンセリング技法の中核になる言葉は、看護師以外のあらゆる領域で聞かれるようになり、カウンセラー以外の専門職の中でも学ばれるようになりました。

カウンセリングという場でこの『傾聴』というものが実に難しいものだと年々感じさせられています。

そして、看護師としての実践年数を重ねれば重ねるほど、この『聴くこと』の力を忘れてしまうのです。

  • その場で発せられる患者さんの言葉そのものをまず受け止めること
  • 耳を傾けること

それがあって、更なる理解、そして患者さんとの関係が進んでいく、そんな気がするのです。

この聴くこと、まずは語られるそのままの言葉を受け止めること、これが大切ではないかと書きました。

このそのままの言葉を受け止めること=言葉の上辺だけを捉えて会話をしていくこと

とは違います。患者さんとのコミュニケーションを円滑にする第一歩は患者さんの会話に心から聴く事からスムーズになります。

これが看護師における傾聴です。 

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メラビアンの法則を応用する

カリフォルニア大学のアルバート・メラビアン教授は、メッセージのインパクトはどこからくるかを調査研究し、「言葉での表現7%、声の調子(抑揚)での表現38%、表情55%、計100%」との結論を得たといいます。

テレビの申し子のようなニュースキャスターがいて、時々言葉が過ぎるのか、物議を醸すことでも有名でありました。

さぞや抗議の電話が殺到していただろうと想像されますが、抗議の大部分は、ネクタイが曲がっているとか、服装が派手すぎるとか、ちょび髭は生意気だとか、高名な人の訃報を伝えるのにうすら笑いしているように見えたのはけしからんとかの、見た目に関する抗議が大部分で、発言内容に対する抗議の電話はさほど多くはなかったていたそうです。

まさにメラビアンの法則がぴったり当てはまる話です。

看護現場で患者さんとのコミュニケーションにこの法則を利用するならば、話したい内容は、話すときの表情、声の調子に気を使って話せば、話の内容以上のインパクトで相手の心に届くということになります。

では、どのような表情、どのような声の調子が、言葉を相手の心に届けるのでしょうか。

それには、話し手の表情や声の調子から、相手が、自分のことをとても大事に思ってくれ、完治することを願ってくれている、という心情を感じ取れるように話すのがよいのです。

具体的には、相手に柔らかく向き合い、やさしい笑顔で相手の目を見つめ、かんで含め、教え諭すような話し方を患者さんに対してすることです。

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声の抑揚

メラビアンが指摘した声の調子(抑揚)を工夫して、患者さんの心に届かせようとする話し方について、特に述べてみます。

それには、声の大小、高低やイントネーションが主体となりますが、話す速度やリズムが相手の速度やリズムと同調するようになると、患者さんに分かりやすく、納得しやすい話となることも知っておくと役に立ちます。

ミラーリング

話す速度などの同調だけではなく、相手の手の動きなどの仕草を真似ることによっても相互の親密度が増し、話が届きやすくなることも知られています。

ちょうど鏡に映っているように同じ仕草をすることから、ミラーリングと呼ばれています。

これらのうち特に重要なのは、患者さんの反応を見ながら話すことです。

相手がきちんとこちらの気持ちを受け入れて聞いてくれているか、確認しながら話すのです。

そのように気を付けて話すならば、話が一方的に速くなったり、理解していないのに先に進むこともありません。
一語一語を相手がどのように受け止めているかは、患者さんの表情や仕草に気を配って見ていればよく分かることです。

ところが、自分の言葉に酔ってしまいますと相手が見えなくなってしまいます。

相手が言葉では「はい、はい」と肯定的な返事をしていても、体では「いや、いや」と否定的に反応していることが見えなくなるのです。

人間は賢い動物で、自分を守るためにはうそをつくことができますが、口からうそが出ていても、体は別の信号を発しているものです。
感性を磨き、そういう微妙な食い違いに気づいたならば、相手の反応に合わせて、話を軌道修正する必要も出てきます。

こうしてリズムを合わせながら話を進めますと、相手に守りの姿勢がなくなり話が通じるようになるのです。

このように、声の調子に加えて、話の進め具合についても、相手の反応に合わせて同調を取って話すことも、かんで含めるように話すことの一つに加えていきます。このように話して初めて、看護師としての話したいことが患者さんの心に奥深く染み通っていくからです。

患者さんとのコミュニケーションには必須のスキルです。

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心に届く話し方 3ステップ方式

3ステップ方式とは、前掲の「愛と癒しのコミュニオン」にある話し方ですが、

  • 事実
  • 影響
  • 気持ち

の3段階に分けて話をすると抵抗なく相手の心に受け入れられるというものです。

最初に、誰が見ても認められる客観的な事柄、事実を言い、次にその事実によって生じる影響について述べ、最後に、その時起こる話し手自身の気持ちを伝えるのです。

たとえば、学校に遅刻した生徒がいますと、頭ごなしに怒鳴りつけたり、しつこく遅れた理由を訊く先生がいます。
そのようにされた生徒は学校嫌いになっていきます。

遅れた生徒であっても、叱責されると、「遅刻ぐらい、僕以外にも何人もしているではないか。そんなに怒鳴らなくたっていいだろう」と、自分のしたことを棚に上げて反発するものです。

遅れた理由を根ほり葉ほり訊かれると、自分を守るため、遅れなければならなくなった理由をあれこれ見つけ、自分は悪くなかったと言い張るようになります。

そこで一工夫したのが、3ステップ方式による対応です。

「遅刻をして」

と、まず事実を述べます。

次に、その事実が及ぼすであろう影響を「入学試験が近いのに、試験の日も遅れるのではないかと」と受け、
「私は心配になる」と、率直な自分の気持ちを伝えるのです。

このように対応されますと、事実にも影響にも争う余地はありませんから、生徒に反発心は起こりません。

そして、自分が受け入れられ、心配されていることが分かりますので、自分を守る必要を感じません。
すると先生に心配をかけたことを素直にあやまるようになり、二度と遅刻をしないぞ、と心に誓うようになります。

同じ3ステップでも、

  • 「遅刻をして」
  • 「皆に迷惑をかけ」
  • 「困ったヤツだ」

と言っては、生徒は素直に反省する気にはなれません。

やはり、その生徒のことが気がかりであり、立派に成長して欲しいと願う心情が根底になければ、生徒の心に届くことはありえません。

話し方のコツ以前に、生徒をどのように見ているかという人間観の問題だということがわかると思います。

これは看護師と患者さんとのコミュニケーションに非常に役立つでしょう。

この3ステップ方式は仕事を頼むときにも効果を発揮します。

人は命令されたり、行動を強制されるのは嫌なもので、たとえば奥さんから、「出勤のついでにゴミを出していってちょうだい」と言われれば、ムカッときて、「朝のすがすがしい気分でこれから仕事に向かおうとする夫に向かって、ゴミを持って行けとは何事か、気分が壊れる」と反発します。

一方、

  • 「ゴミ出しを手伝って貰うと」
  • 「子供の弁当づくりに時間をかけられて」
  • 「わたし助かるわ」

という話を聞くと、そうかゴミ出しだけでも手伝ってやると妻は助かるんだ、子供もおいしい弁当が食べられて喜ぶんだな、と感じることができます。

すると、

「いいよ、ついでなんだから」

という言葉が思わず口をついて出てしまいます。

3ステップ方式で話されますと、命令されたり強制されたと感じないで、自発的にやっているような気持ちになれますから不思議なものです。

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まとめ

ここでは患者さんとのコミュニケーションを円滑にする事を心理学のカウンセリング技法を看護現場に落とし込んで解説しました。

あくまでも参考例ですが、技法は色んな看護の場面で使えます。

あなたが今患者さんとのコミュニケーションに困っているのであれば是非、実践してみましょう。

メンタル心理士 看護師実践力養成講座より抜粋

心理カウンセラーになるには