カウンセリングマインドの意味や方法 ー教育・保育への活用ー

心理カウンセラーになるには

心理カウンセラーを目指したことのある方は、「カウンセリングマインド」という言葉を一度でも聞いたことがあると思います。

カウンセリングマインドについて今回は、

について解説を行っていきます。

特に、学校や保育に携わっている方は、④と⑤の解説をご覧いただき、カウンセリングマインドを実践するヒントにして頂ければと思います。

カウンセリングマインドってなに?

カウンセリングマインドとは、簡単にいうと「カウンセリングをするときの心がけ」です。

相手の立場に立って、その人の考えや行動を共感的に理解しようとする態度のことを言います。

専門的・学術的な定義はありません。

  • 相手と円滑な人間関係を築くマインド
  • または相互的なコミュニケーションを行うための心がけ

というように捉えてください。

カウンセリングマインドは、専門的なカウンセラーよりも、教員、保育士、ソーシャルワーカー、看護師といった、カウンセラーに近い役割をした人たちの間で使われています。

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カウンセリングマインドの基本的な態度と方法

コミュニケーションをする際に「安心感・信頼感、自尊心」を相手に与える、受容的・共感的な態度を特徴としています。

これらの態度は、ロジャースが提唱した「来談者中心療法」が基礎となっています。

受容的な態度とは、相手の言葉を否定せず、「あなたはそう思ったのですね」「そう感じたのですね」と相手をありのまま受け入れようとする態度です。

一方、共感的な態度とは、「わかります」「それは嬉しいですね」と、相手の気持ちになって話をする態度です。
相手は「わかってくれている」と実感することができます。

どんな効果があるの?

ただ話を聞くだけではなく、カウンセリングマインドを持って相手の気持ちを理解して話が聞けた時、それは相手にとって大きな支えになります。

目に起こる変化として現れないかもしれませんが、話をする前より、少しでも心が軽くなっているはずです。

小さな変化かもしれませんが、続けていくことで大きな変化になるはずです。

そしてそれは、「問題解決・成長への方向」に導きます(自己実現)。
この方向に向かっていくことが目標となります。

次の項目では、学校と保育におけるカウンセリングマインドの説明と、その効果について解説します。

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学校におけるカウンセリングマインド

1990年代に起こったカウンセリングブームの影響によって、学校関係者の間で「こころの教育」ブームが起きました。

相次ぐいじめ、暴力、非行といった生徒の問題行動への対策として、カウンセリングマインドを学ぶことがすすめられました。

教員は、自らがしゃべり説教ばかりするという役割が強く、「生徒の話を聴く」ということに焦点が当てられていませんでした。

そこで、受容的・共感的な態度で接することで、より生徒を理解できるだろうという考えが広がりました。

カウンセリングマインドを基礎に、教育現場で活かすことのできる6つのカウンセリング技法をご紹介します。

  • 繰り返し
    生徒に対し、「そうなのね」「はい」といった簡単な言葉で受け止める。また、生徒の発言を繰り返して言います。
  • 明確化
    何といって良いかわからない、自分の意見に自信がない生徒の助けになります。
    十分に生徒の言葉を引き出した上で「あなたの言いたいことは○○かな?」と確認を行います。
    生徒の言いたいことを的確につかみ、要約をします。
    生徒が問題・課題としていることを明らかにします。
  • ポジティブフィードバック
    生徒の良いところを本人に伝えます。自分に対する肯定的な気持ちが強くなり、自信がつきます。
    必ずしも、テストで高得点を取れたといった、目に見える大きな形のものでなくてもかまいません。
    ちょっとした清掃をやってくれた、話についていけない生徒に声掛けを行ってくれた、などのささいなことについて見逃さないようにし、指摘してあげましょう。
    また、その生徒を褒めることで、周囲の生徒もその子に対しポジティブな印象を持つことができます。
  • リフレイミング
    ある経験を違った視点から見ることです。
    物事を前向きにとらえることができるようになり、意欲を高めることができます。
    例えば、「あきらめが弱い」ことは「粘り強さ」になり、「頭が悪い」は「人とは違った考え方ができる」といったものがあります。
  • 傾聴
    「うれしかったのですね」「どうしたら良いか、わからなくなってしまったのですね」といった、生徒の気持ちに寄り添うように話を聴きます。生徒の感情や気持ちを受け止め、本人に「伝えたいことがわかってもらえた」と実感してもらうのがポイントです。
  • 自己開示
    簡単にいうと、素直な気持ちで生徒と接することです。
    教員という立場を気にせず、生徒に「わからないことはわからない」ということをしっかり伝えます。
    「よくわからないから、もう一度説明してくれるかな」「よく気が付いたね」という言葉かけです。

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保育におけるカウンセリングマインド

保育現場と学校の違いは、早い時期から子どもと関わること、そして「遊び」が中心となることです。

「遊び」を基礎にカウンセリングマインドを取り入れているものとして、「アクスラインの8原則」があります。

子どもの「遊び」をカウンセリングに取り入れたことで有名な心理学者・アクスラインは、カウンセラーが子どもに向き合うときの姿勢として、次の8つの条件を挙げています。

  • 信頼関係をつくる
  • 気持ちを受けとめる
  • おおらかな雰囲気をつくる
  • 気持ちを読み取り、子どもに伝える
  • 子どもの力を敬う
  • 子どもに主導権をとらせる
  • 子どもの変化をあせらずに待つ
  • 必要に応じて制限する

これらの条件を持って子どもと関わることで、「子どもが自らの力を持って問題の解決にむかう」力を最大限引き出します。

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カウンセリングマインドの良い例・悪い例

学校現場においては、このような受容・共感的な態度をとるカウンセリングマインドは、

言われたことには取り組むが、自発的に物事に取り組むのが不得意な受け身の生徒には効果的です。

その一方、非行や暴力といった過激な行動をとる生徒には十分な効果が期待できないことがわかってきました。

厳しい対応ができず、問題が収まらないカウンセリングマインドに対しては、批判の声もあがっています。

心理カウンセラーになるには