看護医療受験対策の東大

H29「受講生2587名の実績」
私達は“やりやすさ”を追求します。

看護師と准看護師の違い 仕事内容と雇用されやすい職場とその理由

看護師は、正看護師と准看護師2種類に区分されます。

正看護師・准看護師は、保健師助産師看護師法に定められており、2~6条に業務内容が記載されています。

正看護師・准看護師は法律により業務内容は異なります。

正看護師の仕事内容

看護の目的は、病気や障害があるだけではなく、身体的・心理的・社会的に到達可能な最良の健康レベルを目指して援助を行う事です。

正看護師は、傷病者・褥婦の療養上の世話、診療の補助を業とする者と記載されています。

看護師の業務内容は、医師の指示のもとバイタルサイン(意識・体温・血圧・呼吸・脈拍)が正常か測定を行い、異常があった場合医師に報告します。

また、医師が処置を行う際補助を行います。

採血や点滴など医療行為も行います。また、患者の病室の環境を適切に保つために、環境整備を行い、食事や入浴・排泄の援助も行います。

また、看護師は患者さんの1日の記録や行った医療行為など記録に残す義務があります。

看護師は受け持った患者さんに最高の看護ケアを行うため、看護過程を行います。

看護過程とは、患者さんの疾患から問題点を出し、目標・計画をたて、実地し評価を行います。

これが看護師の仕事内容です。

准看護師の仕事内容

准看護師は、医師・歯科医師・看護師の指示により看護師の業務を行う者と記載されています。

仕事内容は変わりありませんが、法律上正看護師の指示のもの仕事を行わないといけません。

仕事内容は正看護師と同じ、バイタルサイン測定を行い、医師の指示のもと医療行為を行います。患者さんの看護記録を作成し、看護過程も行い特に仕事ないようは変わりありません。

ある看護師の病院での1日の流れは以下になります。

  • 8:30 出勤・申し送り
  • 9:00 オムツ交換
  • 9:30 部屋持ち患者のバイタルサイン測定(検温)
  • 10:30 看護記録作成
  • 11:00 オムツ交換や体交・処置
  • 11:30 食事の準備
  • 12:00 食事介助
  • 13:00~14:00 休憩
  • 14:00 オムツ交換
  • 14:30 バイタルサイン測定
  • 15:30 オムツ交換
  • 16:00 看護記録
  • 17;00 申し送り後退社

曜日により入浴の日がある場合や記録が終わらない場合は、残業し行います。

准看護師も同じ仕事内容で1日を過ごしています。

看護師と准看護師の需要

看護師と准看護の需要には違いがあります。以下は看護師と准看護師の年齢別就業場所のグラフです。

看護師の年齢階級別就業場所の割合(平成26年)のグラフ准看護師の年齢階級別就業場所の割合(平成26年)のグラフ

この2つのグラフから分かることは准看護師が看護師と比較して診療所に就業している割合が大きくなっています。

診療所で就業している看護師の割合は40歳までで平均10%ありません。准看護師の場合40歳までで20%強あります。

その分、看護師は病院の割合が高く85%程度にのぼります。准看護師の場合、65%程度となっています。

この違いの1番大きな理由は診療報酬です。

診療報酬と関係するもので看護配置というものがあります。

例えば7:1だと患者7人に対して看護師が1人。

この基準で請求点数をつけられます。しかしそれはあくまでも看護師に限ります。

准看護師ではカウントされません。

病院からすると診療請求が出来る看護師を雇用するのは当然でしょうね。

こういった理由から准看護師は個人病院(診療所)で働く人が多いのです。

看護師と准看護師の就業している年齢の違い

以下は看護師と准看護師が就業している年齢の割合を表したグラフです。

年齢階級別就業者数割合(看護師)(平成16・26年比較)のグラフ年齢階級別就業者数割合(准看護師)(平成16・26年比較)のグラフ

看護師と比較すると准看護師で40歳までの就業の割合が24%と低くなっている事が分ると思います。
これは准看護師の学校数との関係があります。

看護師および准看護師学校養成所 1学年転移の推移のグラフ

平成元年と平成27年では准看護学校数は約70%減少しています。神奈川や福井など都道府県によっては学校がない県も出てきています。

これは准看護師の廃止論と関係しているようです。しかし日本医師会が反対しています。その背景には個人病院は同じことが出来て給料が高い看護師よりも准看護師を雇用したいという事情があるようです。

参考:「看護職員の需給による基礎資料

看護師、准看護師の取得方法の違い

正看護師・准看護師は仕事内容が同じでも、免許が違います。

正看護師・准看護師は保健師助産師看護師法に定められ、業務独占・名称独占の資格です。

業務独占:免許を受けた者でなければ、その業務を行う事が出来ない事を言います。

名称独占:業務を行うことには制限はないが、免許を受けた者でなければ、その名称または類似する名称を用いる事が出来ない事を言います。

正看護師の取得方法

国家試験を受け、厚生労働大臣から免許が交付されます。

国家試験は、必修問題・一般問題・状況設定問題の3項目があります。

必修問題は、午前・午後合わせ50問あり40点以上点数を取得しなければ、合格できません。

一般問題は、午前・午後合せて130問あり、状況設定問題は午前・午後合せて60問あります。

一般問題と状況設定問題のボーダーラインは、相対基準で毎年変動しますが、過去10年分の平均ボーダーラインは、63.4%です。

必修問題40点以上・一般問題、状況設定問題250点中160点以上取得すれば合格できるでしょう。

合格率は、過去10年分の平均89.9%です。

合格発表は、1ヶ月ほどかかります。合格発表後、保健所で手続きを行います。

手続き後看護師として働けます。

准看護師の取得方法

知事試験を受け、都道県知事から免許が交付されます。

准看護師試験は、2月下旬頃に各都道府県で実施します。

150問中90点以上取得すれば合格できます。

合格率は、98.9%です。

合格発表は、3月中旬に発表され合格後、保健所で手続きを行い准看護師になれます。

准看護師試験は問題数も少なく問題もよく読めば解けるような問題ですが、引っ掛け問題が多く、正しい問題を選べではなく、誤っている問題を選べが多く、国家試験のように太線が引いているわけではなく間違いやすいでしょう。

看護師、准看護師の学校の年数と学費の違い

正看護師と准看護師にどうすればなれるか紹介します。

正看護師の学校の年数と学費

正看護師になるには、4通りあります。

  • 中学を卒業後5年一貫の看護師養成課程校に入学
  • 高校卒業後看護専門学校に3年入学
  • 看護短期大学に3年入学
  • 看護大学に4年入学

入学後、看護師国家試験に合格すれば看護師になれます。

詳細は看護師になるにはをご覧ください。

成人看護・基礎看護・在宅看護・母性看護・小児看護・精神看護・老年看護と専門分野の学習を行い、現場の病院に行き臨床実習を行います。

授業実習は、3000時間・総計97単位が教育課程となり。

そのうち23単位が臨床実習となります。

学費は5年一貫・専門学校・短大・大学、地方によりバラバラです。

なので、金額を指定する事はできません。

入学費用・授業料・テキスト代・ナース服や実習費などさまざまお金がかかります。

何百万とお金が必要になります。

また、看護国家試験を受ける際も受験料5400円かかります。

准看護師の学校の年数と学費

准看護師になるには、中学卒業後、高等学校衛生看護科に3年入学准看護師養成所に2年入学します。

卒業後准看護師試験に合格すれば准看護師になれます。

准看護師授業時間は、1890時間必要・実習時間735時間必要になります。

学費は、正看護師と同じバラバラで金額を指定できませんが、何百万かかります。

詳細は准看護師になるにはをご覧ください。

キャリアアップのしやすさ

准看護師の方がキャリアアップを考える場合、まずは正看護師でしょう。

准看護師が正看護師になるには准看護師とし3年以上の実務経験を積み、看護の専門学校に3年入学するか、通信過程に2年入学し国家試験に合格すれば正看護師にキャリアアップできます。

キャリアアップ出来れば、収入も月5万円以上アップします。

正看護師の方がキャリアアップを考える場合、認定看護師専門看護師があります。

認定看護師とは看護分野において、熟練した看護技術と知識が認められた者をいいます。

認定看護師と特定されている分野は、21分野あります。

認定看護師になるには、

正看護師免許取得後、実習経験が5年以上ありそのうち3年は認定看護師分野の実習研修を受けることが重要です。

その後認定看護師教育機関に6ヶ月(615時間以上)修了し、筆記試験を受けます。

筆記試験は、一般問題20問(50点)と状況設定問題20問(100点)合せ40問を受け、105点以上は合格です。合格率94%です。

引用元:「日本看護協会 認定看護師

専門看護師は、

複雑で解決困難な看護問題を持つ個人・家族及び集団に対して水準の高い看護ケアを提供するため、専門看護分野の知識・技術を深めた者をいう。

専門分野は、13分野あります。

正看護師免許取得後、看護系大学院(2年)修士課程修了者で専門看護師教育課程基準の所定の単位を26単位取得(実務経験5年以上そのうち3年間以上は専門分野の実務経験研修をうけ)後、試験をうけ合格すれば専門看護師になれます。

筆記試験は、実例問題テ100点と総合問題100点があり、書類審査があります。合格率は70.2%です。

引用元:「日本看護協会 専門看護師

認定看護師・専門看護師になると手当が付き、給料が上がります。

でも、病院や地方により額はバラバラなので、いくらもらえますとは言えませんが、正看護師より給料は上がります。

また認定看護師や専門看護師になると、管理職になりやすく管理職になると給料は上がります。

管理職になると平均月給30万以上は確実に収入があります。

認定看護師や専門看護師になるには、とても難しく大学などに通い勉強し、試験を受けないといけないので、給料が上がってほしい方だけではなく、自分が気になる・好きな専門分野を高めたく、患者さんにいい援助行いたい方が認定看護師や専門看護師になる方の方が多いです。

私が働いていた病院に、認知症看護の認定看護師の方が働いていました。

なぜ、認定看護師になったのか聞くと、現在高齢者の方が多く、今後も高齢者人数は増加傾向で、認知症患者も増加し、自分の祖母が認知症で徘徊し交通事故で亡くなったそうです。

なので、認知症看護の知識をもっと深め患者さんや家族に援助したいからなったと言っていました。